強いメーカーの内部事情

2014/09/30
総合 その他
勢いのあるメーカーに共通する「あること」とは。

34、アピア、ヤマリアという3つのメーカーの「強さ」

いま勢いのあるブランドというと、どのメーカーを頭に思い浮かべるだろうか。このアーティクルではソルトシーンを席巻している3つのメーカーについて、その内側に触れながら紹介していきたいと思う。34、アピア、ヤマリア。ひとつはアジングメーカー、ひとつはシーバスロッドメーカー、もうひとつは老舗総合釣り具メーカー。それぞれに方向性はまったく異なるのが、そこにはある共通点があるように思う。そんな視点から記事を読んでいただくと面白く読んでいただけるかもしれない。

 

メンバー間の結束がとにかく強い「34」

まずは34。メバルに“浮気”しないアジング特化型ブランドとして家邊克己さんのカリスマ性を武器にうなぎ上りに知名度を上げていったブランドだが、その内実は決してワンマン体勢ではない。むしろその逆と言ってよく、メンバー(フィールドテスター、内部スタッフ)間の結束がとにかく強い。年に一度スタッフ総出の離島キャンプが開催され、メンバーはそこで交流を深めるというが、そうした中でボスに忌憚なく意見を言える環境ができている。余談だが、実はフィールドスタッフの多くは面識のない家邊さんにアジング勝負を挑んだ強者揃いだったりする(皆返り討ちにあっているのだが)。また社外的にも扉は常にオープンだ。参加費無料のアジング入門セミナーを定期的に各地で開催し、ファンの声に直接耳を傾け、ファンの疑問や相談に積極的にのって解決策を提示する。そうした“草の根”的な活動の中で、ファンは着実に増えている。

 

社内に前向きなオーラが溢れる「アピア」

アピアはどうだろうか。このメーカーはとにかく多彩なタレント揃いだ。釣りに精通したロッドプランナー、広告代理店で活躍していたスタッフ、映像専門スタッフなど、個性的で優秀なメンバーが集まっている。社の意思決定には多数決が用いられ、スタッフはそれぞれ強い自主性を持ちつつ、それぞれの個性を最大限に発揮する。常に前向きな雰囲気が熟成されていて、新しいモノが生まれる環境が整っているように思う。もちろんそこにある個性達に一種の調和を与えているのは社長なのではあるが、皆が気持ち良さそうに働いているのだ。好評の「アピアロッド試投会」のアイディアもそうした環境から生まれたものだ。せっかくならユーザーにロッドの性能を十分理解してから買ってもらいたいという趣旨で開催されているこの試投会はアピアの自社製品への自信の表れともいえるが、ウン万円という高額な買い物を“ギャンブル”にしていた従来のロッド購入の常識を変えたと言ってもいいのではないだろうか。

 

業界の名物社員が豪腕を振るう「ヤマリア」

ヤマリア。ヤマシタとマリアという2大ブランドを擁するメーカーであるが、前のふたつのメーカーとは会社の規模が大きい点、いわゆる老舗である点で少し性格を異になる。中核にいるのはMさん。大手メーカーを牽引してきた業界のキーパーソン的人物であり、ヤマリアでもまさに豪腕を振るっている。入社後プロモーションの方法を一新させ、ウェブサイト、SNSなどにも注力。ファンの交流サイト「エギ王コミュニティ」をオープンさせたり、ファン交流イベントを開催したりと、ユーザー目線の企画を多数発足させた。ここ数年、フラペン、エギ王Kなどのヒット商品に恵まれているヤマリアだが、その背景にはこうしたユーザーとの深い繋がりがあるといっていいだろう。

 

3つのメーカーに共通する「あること」

さて、この他にも勢いのあるメーカーは多数あるが、今回紹介した3つのメーカーに共通して言えることは、ユーザーを第一に様々なことを考え、実践しているということだ。ともすると利益を追求したり、自己満足に陥ったりしがちなモノ作りの世界。その中にあって、常にファンとの交流を図り、ファンを大切にし、またファンから学ぶ。釣り業界の外を見ても、一方的な価値観の押し売りで商品が売れる時代が終わったのは明らかだろう。「ユーザー目線」「お客様第一」そんな形骸化した言葉ではなく、ファンと共に歩もうとする姿勢。そこに3つのメーカーの本当の強さを見たような気がする。

文=F!編集部