木村仁|メーターへの道 第27章

2016/12/30
総合 テクニック
2016年最後の連載記事。皆さん、「落ちボラパターン」って知ってますか? 写真はスキッドスライダーに反応したランカー級。

シーバスの個体数が減るシーズンに

今年は暖冬の陽気が続いた茨城。いままでこんなに暖かい冬になった事あったかな?と疑問を抱きますが、これも環境の変化でしょうか。この原稿を書いている今ではようやく冬本来の寒さになってきたものの、先月はとても暖かい日々でした。11月になるとシーバスの釣果も極端に減り始め、シーズンの終わりを告げるかの様に渡り鳥が湖畔に飛来し、田畑には霜が降ります。朝晩の冷え込みはとても身に染みる様になる記憶があるのですが、今年の冬は日中の気温が暖かく、海水温も非常に高い状況でした。晩秋から冬にかけては千葉県盤洲干潟でもシーバスの釣果が聞こえ始める頃ともあって一度伺ったのですが、当時の状況はとても厳しく水温が24度もあり、ウェーディングをしていても水中は温く当然シーバスアングラーの天敵エイもチラホラ見かけたので干潟シーバスシーズンも大幅な遅れを感じました。

 

利根川水系へ

そうした状況の中、今回は冬への移行を意識した個体を求めて今回は地元から少しだけ離れた利根川水系に行ってみました。よく春シーズンに訪れことのある河川ですが、地元の河川とは違った要素があり個人的に好きな場所です。と言うのも地形の変化や川の流速、それにベイトフィッシュの寄り具合によって釣果が変わっていきますが、群れに当たれば数釣りの可能性を秘めたフィールド。この時期になると利根川水系で良く一緒に釣りを楽しむ仲間も集まりだし、情報交換や一緒に会話をしながらロッドを振るという事もシーズンならではの楽しみでもあるのです。

 

「落ちボラ」パターン

この時期の利根川水系のシーバスゲームパターンはイナッコの群れを意識して集まりだすシーバスを狙っていく釣りになります。晩秋の河川での釣りは落ちアユに付いたシーバスを狙ったりコノシロに付いたシーバスを狙ったりと、全国にはご当地特有のシーバス攻略に欠かせないベイトを意識した釣りになるかと思いますが、北関東地方には“落ちボラ”というパターンがあります。季節の変化と共に水温が低下していき、ボラやイナッコも住みやすい場所に移動する為に河川の流れを利用して移動をします。そうした行動を察知したシーバスは捕食スイッチが入ることが多く、ランカーシーバスも集まる事が多々あります。特に利根川水系に所々存在するシャローエリアにはベイトフィッシュが集まるスポットがいくつか点在していて、夕方の満潮から下げ潮のタイミングが狙い目となっているので今回訪れてみました。

 

ボラの存在を確認

水温が下がるとベイトフィッシュの動きも鈍くなり、川の流れに乗って河口方面へと移動していきます。そうした動きを察知したシーバスは流れの筋に身を潜めていて、ベイトが流れて来ると捕食するというパターン。そうした状況でルアーを使ってベイトフィッシュに見立ててゲームプランを組み立てていきます。実際にフィールドに立ってロッドを振っていると9cm程のイナッコが視野に入ってきました。他にも15cmを超えるボラの群れも居るようで、時折水面から飛び出す様な光景が目に飛び込んできます。

 

最初の一尾

イナッコが複数集まっている事が分かったところで、ルアーはシャローレンジを引く事ができるタイプの物をスナップにくくりつけます。初めはフローティングミノーでひと通りキャストを繰り返してみましたが反応が無かったので、S字スラロームアクションを発するポジドライブガレージの「スキッドスライダー95s」で遠投した後しっかりとS字を書くようにミディアムリトリーブで探っていく事に。キャストすること数投。“モゾっ”とした小さなバイトがあり、この日のシーバスが反応するルアーだという事を察知しました。暫く間が空いた頃、もう一度小さなバイトが来た時に、早合わせをせず一息おいてからフッキングをするとようやくシーバスがヒットしました。あまり高活性では無い様なのでゆっくり寄せてみると60cm弱のシーバスをキャッチ。その後は同行していた釣り仲間にもスキッドスライダーでヒット。

 

最後の最後で満足いくサイズがヒット

その日の状況が分かった所で更なる大物を狙って釣りをしていくと、70後半のシーバスを3匹程追加。下げ潮が効き、立ち位置から30mの辺りにはクッキリと潮目が伸びていて、そこでシーバスが餌を待ち伏せしているらしく、同行者の方と飽きない程度にシーバスからのバイトがあり、数も釣れました。しかしながら釣れる個体は78cmや79cmとランカーシーバスまであと少しといった所でなかなかキャッチすることができず、潮位も下がりきっていよいよ潮どまり目前。時間帯も深夜12時あたりになった頃、まだ潮が動く沖の筋へとフルキャストし、水の動きを感じられる程のリトリーブ速度でリーリングしていくとこの日やっとランカーシーバスの手ごたえを感じる魚がヒットしてきました。ランディングも無事にでき、同行者の方に写真を撮って頂いた後魚をリリース。

 

2016年を振り返って

そこで、先ほど釣った魚の写真を見てみると生憎のピンボケ画像だという事が判明(笑)。そうした事もその場で面白い会話となって楽しい部分でもあるのですが、僕は同行者の釣果も撮ってスマホに送ってあげる様にしています。そうする事で自分のカメラワークも少しずつですが上達していけると思いますし、同行者の方もきっと画像に残って良い思い出になると思います。実際に僕自身もブツ持ち写真を撮ってくれるのが大体釣り仲間ですからね(笑)。だいぶ話がそれましたが、この日はウェイトも乗りトルクもあるシーバスの数釣りを楽しめて大満足して帰宅となりました。これから北関東地方はシーバスシーズンも閉幕となるのですが、今後次の開幕まではとても厳しい釣りをしていくことになるでしょう。しかし、一人のシーバスフィッシング愛好家としてもオールシーズン、フィールドでロッドを振り続ける事には変わりないですけどね(笑)。

さて、本年は「メーターへの道」の記録は95cm、次いで93cmという結果に終わりました。挑戦すること27回。メーターへの道は長くなってきましたが、来年も明確に目標を持ちつつ、やはり釣り自体を楽しむことを忘れずに記録更新を目指していきたいと思います。皆さんも、2017年もシーバスフィッシングを存分に楽しんでくださいね。それでは、よいお年をお迎えください!

 

木村仁(きむらひとし)
いま最も注目される若手シーバスアングラーのひとり。1984年生まれ、茨城県在住。日々ランカーシーバスを追い、自己記録は102cm・11kg。本企画を通して人生2本目のメーターに挑む。愛称は「キムラックス」

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「メーターへの道」現在の最長記録:96cm

 

 

使用タックル
[ロッド] アピア|Foojin’AD ANGEL SHOOTER96M
[リール] アピア|VENTURA3012LUNKER CUSTOM
[ライン] バリバス|アバニ シーバスPEマックスパワートレーサー1.2号
[リーダー] バリバス|シーバスショックリーダーナイロン30lb
[ルアー] ポジドライブガレージ|ジグザグベイト80S 
[ルアー] ポジドライブガレージ|スキッドスライダー95sプロト