山内勝己|東京湾ナビゲーター 8月編

2016/08/02
総合 テクニック
徹底した現場主義を貫く山内プロの真夏のポイントセレクト術とは。写真のヒットルアーはモアザン シリコンバイブ58S。

文=山内勝己

撮影時。プロアングラーは、いかにポイントを選んでいるのか?

FISHING STATION!をご覧の皆様こんにちは。山内勝己です。関東地方では梅雨が明け、いよいよ夏本番。厳しい暑さが続く毎日となりました。東京湾も夏の釣りに完全に移行、一年の中で冬から早春にかけてのバチシーズンや秋のハイシーズンに比べれば釣果に繋げづらい時期になりますが、ポイントを押さえれば釣果を出すことは必ずしも難しくはありません。釣果に繋げる為の重要なキーワードのひとつは、やはり釣行時のポイントセレクトです。ポイントセレクトは夏に限らず一年を通しても言えることなのですが、この時期は特に重要な要素だと私は思っております。そこで、今月の東京湾ナビゲーターは夏シーズンのポイントセレクトのお話を書かせて頂きたいと思います。

 

夏のポイントセレクトの基本

夏シーズンに定番となるポイントをいくつか上げてみるとこんな感じでしょうか?

・水温が海より低く安定し易い河川
・イワシ・サッパなどの回遊型のベイトがキーワードとなる港湾部や海に面したオープンエリア
・シェードができ、身を隠すことのできる岸壁沿いやストラクチャー回り

ここで終わっては、夏のポイントセレクトのお話し的にも定番すぎですね(笑)。さて、ここから本題に入りたいと思います。先に書いた狙う場所と自然的な要素をプラスさせれば、もっとポイントを絞り込むことができます。これは魚に出会える確率を上げる作業といった感じになりますが、釣果に繋げるにはこの「確立を上げる作業」というのはとても大事だと思っております。本来であれば毎日のようにフィールドに足を運び、魚の着き場やベイトの存在などを常に把握しておくことがベストではあるのですが、ほとんどの方が仕事や学校などがあり、思ったように自由に釣り場に行けない方がやはり大半かと思います。そういった環境からも、自然的な要素を踏まえればポイントセレクトもし易くなります。

 

「雨」がプラスに働いているのか、マイナスに働いているのか

自然的な要素と言えば「雨」「風向き」、このふたつがメインとなります。先ずは「雨」。雨後の“濁り”は誰もが知るようなひとつの雨の恩恵ですが、逆にマイナスな事もあります。イワシなどの回遊型のベイトが雨により沈んでしまったり、時に抜けてしまったりと、前日まで良かったのに大雨の後の今日はダメだったなんてことは少なくありません。これは最初から予測してそのポイントを外すことや、エントリーしたけど状況は悪く雨の影響かと分かれば自信を持ってポイントを見切る判断材料になります。また、先に書いた岸壁に着いたシーバスを狙う場合、真水(場所によっては泥水)が岸壁際に流れ込むことはマイナス的な要素となるので、これもポイントをセレクトするうえでの消去法に繋がります。逆に河川や運河筋などは雨がプラスに転じることは多くあります。ただ、この場合は増水していることもあり、無理なエントリーだけは絶対に避けて安全が最優先なのは忘れないでください。

 

「風向き」により、エントリーポイントが見えてくる

次は「風向き」です。風向きも様々な要素が含まれます。例えば、南寄りの強い風が吹くとベイトが寄りやすいといったプラス的な要素にもなれば、逆にこの時期の北東の風は東京湾では青潮といった貧酸素状態となる大きなマイナス要素にもなります。このマイナス要素も上手く考えればプラス要素となり、ポイントが絞りやすくなることも多々あります。例えば、連日イワシが入り賑わっていた港湾部で夜に北東の風が吹いたとしましょう。すると、魚は水の動きの悪い港湾部からは出ようとし、シーバスもそこに隣接した水の動きの良い場所、河川に集まりやすくなります。これを予測し上手くハマれば青潮といったマイナス要素をプラスに変えることも可能となります。以前にFISHING STAITION!での動画撮影でオープンエリアでの撮影がありました。実はこの時、前日の夜から北東の風が吹き青潮まではいかなかったのですが、状況的に水の動くオープンエリアを選択したことで、良い釣りをすることができました(いつかネタにしようと、この時Oプロデューサーには内緒にしてましたが笑)。

 

ネット上には、釣果情報以外にも有用な情報が集まっています

さて「雨」と「風向き」、自然的な要素をふたつ書かせて頂きましたが、実はここからが今回の本題の本題(笑)。この「雨」と「風向き」の情報をどの様に知り、どう活用するか?ネットにはたくさんの情報とヒントが隠されています。昨今は本当に便利で、スマホやPCで直ぐに手に取る様に釣果情報などが入ってきます。タイムリーな釣果情報は確かに大事ですし、勿論私も参考にします。ですが、この釣果情報だけを追い続けてしまうことは釣果には繋がれど、アングラーとしてのスキルアップに繋がるか?と私は疑問を持っています。少し話が反れましたが、ネットには有用な情報が他にもたくさんあります。例えば河川の場合、その河川に繋がるダムがあるとすれば、ネット環境で雨後の放水量が見られます。河川での釣りが好きな私は、この放水量は常に確認し判断材料にしております(これは釣果に繋げるだけではなく危険回避にも繋がります)。また、堰や水門があれば、その堰や水門が開くタイミングを知ることもでき、水の動くタイミングも知ることもできます。

 

常に疑問を持ち続けること

その他、風向きは天気予報のサイトで知ることができますし、また先に書いた酸素濃度もネット環境で知ることができます。これにより酸素濃度のあるエリアや貧酸素状態になったエリアを知り、ポイントセレクトの判断材料とすることができます。このように昨今の素晴らしいネット環境を利用し各種の有用な情報を入手しポイントセレクトや危険回避に繋げることで、厳しい夏シーズンの釣果にも繋がるかと思います。最後に、よく私は釣れた理由も釣れなかった理由も常に考えることが大きなスキルアップに繋がるとお話しをさせて頂くのですが、これは釣り場に通い詰めることで知ることが大半にはなります。その場では答えは見えなくとも「なんでだろう?」という疑問を常に持つこと、これを意識してフィールドに立つことで、パッと気が付く時があります。それは、ひとつスキルアップした時であり、これらの答えは魚の状況だけでなく自然的な要素が大きく含まれてることが多々あります。そういった意味でも、ネット環境・情報を上手く利用することは大事だと思います。

最後話はそれましたが、暑い日が続く厳しいシーズンになりますが、熱中症対策も含め安全に夏の釣りを楽しんで下さい。

 

山内勝己
最低週3回の釣行を欠かさず、膨大なデータに基づいた旬な情報を皆さんにお届けする本企画のナビゲーター(案内人)。東京湾のシーバスシーンでいま最も注目を集めるアングラーのひとりで、論理的なスタイルと謙虚な人柄から多くのファンを持つ。総合釣り具メーカーのダイワ、ルアーメーカーのロンジンなどからサポートを受ける

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使用タックル
[ロッド] ダイワ|モアザンAGS 93ML “DEMON POWER COMMANDER”
[リール] ダイワ|イグジスト2510PE-H
[ライン] ダイワ|モアザン12ブレイド 0.8号
[リーダー] ダイワ|モアザンリーダーF 20lb
[ルアー] ダイワ|モアザンシリコンバイブ58S
[ルアー] ロンジン|キックビート55